工事の費用が上がることを客にどう伝えるか
値上がりを伝えなければならない、その瞬間のための台本。三つの原因のどれに当たるかの見分け方、いつ電話するか、対面と書面で何を言うか、そして途中の価格の話が言い争いに変わるのを防ぐ、たった一つの習慣。
床をはがしたら根太が朽ちていた。壁を開けたら配線が隣家と共用だった。台所の見積を出したところで、客が「ついでに、これもお願いできますか」と言い出した。どの場面であれ、次に控える会話は多くの職人が最も嫌がるものであり、払えない値引きか、言い争いを避けたくて自分でかぶる損か、あるいは二度と元に戻らない客との関係かの、いずれかで終わる可能性が最も高いものです。
この会話が難しい理由は毎回同じです。追加費用の原因が自分と無関係でも、悪い知らせを運んでいるのは自分だという気持ちになります。客は「お金が増える」と聞いて「見立てを誤ったのだ」と受け取ります。そして切り出すころには工事はすでに動いているので、客は追い込まれて「はい」と言わされたように感じます。この三つのどれか一つを外すと、会話は横に逸れます。
以下の台本がその手当てです。「費用が上がる」の三つの原因のうち実際にどれに当たるのかの見分け方、いつ電話するかを決める24時間の原則、その場での正確な言い方、そして湯が沸き切る前に書面の承諾を取り付ける、追いの一通です。
何かを言う前に、三つの原因のどれに当たるかを見極める
工事が見積より高くつく理由は三つしかありません。会話がこじれるのは、その三つを同じものとして扱ったときです。受話器を取る前に自分がどれに当たるのかを六十秒考えるだけで、そのあとのやり取り全体の調子が変わります。
- 原因1 - 本当に出てきたもの。床をはがしたら腐りがあった。壁を開けたら石綿があった。掘り始めたら埋設管に当たった。壁の外からは誰にも見えなかったもののせいで、必要な工事の中身が変わったのです。ここでの口調は落ち着いた事実の報告です。これは知らせであって謝罪ではありませんし、費用が乗るのは建物であってあなたの請求書ではないので、客は味方です。埋め戻す前に必ず写真を撮ってください。
- 原因2 - 客からの追加の頼み。「ついでに」は個人宅の工事で最も高くつく言葉です。客は見積になかったことを頼んでいるのに、ほとんどの場合、ちょっとした頼みごとのつもりでいます。ここでの口調は感じよく、しかし具体的に。「喜んでやりますが、これだけ足が出ます」と伝え、価格は独立した項目に立てます。最後に元の総額へ溶かし込んではいけません。
- 原因3 - こちらの見積が甘かった。原因が自分の計算違いなので、いちばん切り出しにくい種類です。長い目で見て通用するのは正直な言い方だけです。「半日で見ていたものが丸一日になります。最後にではなく、いま申し上げておきたくて」。多くの客はそれを立てます。一部を負担してほしいと言われることもあり、それは正当な相談です。黙って最後の請求書に滑り込ませるのが、客と紹介の両方を失うやり方です。
24時間の原則 - 置いておくほど、会話は重くなる
値上がりを客に伝える負担は、待った日数だけ倍になっていきます。見つけたその日なら、落ち着いた五分の電話です。三日たてば、弁明の会話になります。工事の終わりには、客が不意打ちだと感じる言い争いになります。予算の内側だと思って了承してきたのですから当然です。
- 問題を見つけたその日のうちに電話してください。完璧な文面を書くために終業時刻まで待たないこと。その場での「取り急ぎご連絡です、詳細は今日中にお送りします」は、十二時間後の練り上げたメールに勝ります。
- 客からの追加の頼みについては、その追加作業を始める前に費用を出してください。「喜んでやりますが、X ポンドほど足が出ます。進めてよろしいですか」なら九割は「はい」が返ってきます。同じ会話を作業のあとにすると、返ってくるのは「そこまでかかるとは思わなかった」です。
- 自分の計算違いは、分かった時点で切り出します。たいていは初日の終わりまでです。抱えている時間が長いほど、二人とも「この価格で問題ない」というふりに深く入り込み、最後に明かすときの痛みが増します。
対面、電話、メッセージで何を言うか
その場の会話の言い方は原因によって変わりますが、組み立ては同じです。知らせを述べ、証拠を見せ、新しい数字を出し、はっきりした可否を求め、一時間以内に書面で追う。
- 見つけた場合、対面 - 「ちょっと来て見てください。出窓の下の根太に乾腐病が出ています。ほら、ドライバーがこれだけ入ります。床を戻す前にこの三本を替えないといけません。一日ほど延びて、木材と処理で420ポンドほどです。このまま進めてよろしいですか、それとも一度お考えになりますか」
- 見つけた場合、メッセージ - 「[お名前] 様、現場から取り急ぎご連絡です。出窓の床をはがしたところ、根太三本に乾腐病が出ていました。写真をすぐお送りします。新しい床を張る前に交換が必要です。現場が一日ほど延び、木材と処理で420ポンドほどかかるため、総額は4,200ポンドから4,800ポンドほどに上がります。お許しをいただければこのまま進めますが、黙って請求するのではなく、いまお伝えしておきたく存じます。ご連絡ください」
- 追加の頼み、対面 - 「ええ、食卓側の二つ目のダウンライトは喜んでお付けします。器具込みで85ポンドほど足が出ます。同じ請求書に入れますか、それとも別項目にしておきますか」
- 自分の計算違い、メッセージ - 「[お名前] 様、請求の段になってからではなく、工事が終わる前にお伝えしたいことがあります。左官の分が、見込んでいた半日ではなく丸一日になりました。壁の下地に、見込んでいた以上の手当てが必要でした。差額は折半とし、手間の項目に140ポンドの追加をお願いしたく存じます。最後に不意打ちになるより、いま申し上げるほうがよいと考えました。ご都合をお聞かせください」
- 三つのどの場合でも、数字を埋もれさせないこと。早く言おうと遅く言おうと、客は新しい総額に必ず目を留めます。ですから二文目に置き、理由を説明しているあいだに受け止めてもらってください。
一時間以内に書面へ - 工事の終わりの言い争いを防ぐ、たった一つの習慣
玄関先での口約束は、六週間後に最後の請求書が届くときには何の値打ちもありません。客はもっと小さい数字を覚えており、あなたは合意した追加を覚えています。覚えていること自体はどちらも正しく、どちらも証明できません。手当ては、その日のうちに送る一通です。案件に紐づけて記録に残し、項目をはっきり立て、可否をはっきり尋ねる。
- 形式 - 何が変わったか、なぜ変わったか、いくらかかるか、新しい総額はいくらかを述べる短い一段落。そのあとに一行、「ご承諾いただける場合は『はい』とご返信ください。そのまま進めます」あるいは「いずれにせよご一報ください」を添えます。
- できれば私用の WhatsApp ではなく業務の連絡機能から送り、承諾が案件の記録に残るようにしてください。六週間後にさかのぼってやり取りを追う羽目になりません。CMA は追加工事のやり取りを客と見積の両方に一か所でひも付けて残します。携帯からやる場合でも、せめて承諾の画面を撮って案件に保存してください。
- メッセージだけでなく、見積そのものにも新しい項目を足してください。客はメッセージ、更新した見積、そして最後の請求書で同じ項目を目にします。最後の請求書が届くころには、その追加は三度目にすることになり、争う余地は残りません。
費用を自分でかぶるべきとき - そして面目を保ったまま伝える方法
追加分を飲み込むのが正しい判断のこともあります。工事が小さい、140ポンドより関係のほうが大事だ、客が最後まで感じよかった、あるいは計算違いの相手が、客には知りようのないことだった。そうした場合にいちばんまずいのは、黙ってかぶって、あとから恨みに思うことです。かぶることは客に伝えてください。次に職人が要るとき、客はそれを覚えています。そして「問題を教えてくれたうえに追加は取らなかった」という紹介は、その140ポンドが届く範囲よりずっと遠くまで届きます。
- 言い方 - 「左官の分で数時間多くかかりましたが、そこはご請求しません。きつく見積もった私の側の話ですので。ただ、次にお出しする見積が実際の時間を反映するよう、お伝えだけしておきます」
- この言い方は使いどころを絞ってください。どの工事でもやると、客はそれを当たり前と学習します。長い付き合いのなかで、小さな超過に一度だけやると、本物の信頼が返ってきます。
より良い見積作成のためのシンプルなワークフロー
何かを見つけた瞬間 - 手を止め、写真を撮り、三つの原因のどれに当たるかを見極める。
その日のうちに電話する。その場での短い一報が、明日の練り上げたメールに勝る。
知らせを述べ、証拠を見せ、新しい数字を出し、はっきりした可否を求める。
一時間以内に書面版を送る。短い一段落、項目一つ、可否の問いかけ一つ。連絡機能で案件に紐づけて残す。
見積に新しい項目を足し、その追加が見積、メッセージ、最後の請求書のすべてで見えるようにする。
工事の途中の価格の話がこじれる理由は、毎回同じ三つです。職人が、見つけたもの、追加の頼み、自分の計算違いを同じ会話として扱う。電話をあまりに長く置いておく。あるいは口約束を取り付けて、書面に残さない。この三つを直せば、工事のいちばん嫌な部分だったものが、見つけたその日に片づく五分の作業に変わります。
次に切り出さなければならない追加に合う台本を上から選び、見つけてから一時間以内に送ってください。かつて一週間くすぶっていた会話が、一度のやり取りで着地します。
よくある質問
客を失わずに、工事の費用が上がることをどう伝えればよいですか?
まず三つの原因のどれに当たるかを見極めてください。本当に出てきたもの、客からの追加の頼み、自分の計算違いのいずれかで、それぞれ必要な口調が違います。分かったその日のうちに電話し、二文目に新しい総額を置いて事実として知らせ、一時間以内に書面で追い、項目とはっきりした可否の問いかけを添えます。客が反発するのは費用そのものではなく、ほとんどの場合、不意打ちだと感じたことに対してです。
追加費用はいつ客に伝えるべきですか?
見つけたその日にです。出てきたもの(腐り、石綿、埋設管)については、写真が撮れ次第すぐ電話します。客からの追加の頼みについては、追加作業を始める前に費用を合意します。あとからではありません。自分の計算違いは、気づいた時点で切り出します。たいていは初日の終わりまでです。この会話の負担は、待った日数だけ倍になっていきます。
見積が甘かった場合はどうすればよいですか?
最後の請求書ではなく工事が終わる前に、平易な言葉で客に伝えてください。「半日で見ていたものが丸一日になります。最後にではなく、いま申し上げておきたくて」と言えば、多くの客からは敬意が返ってきますし、差額を折半するのか、こちらでかぶるのか、全額いただくのかについて、率直な相談ができます。黙って最後の請求書に滑り込ませるのが、客と紹介の両方を失うやり方です。
追加工事の承諾を書面でもらうにはどうすればよいですか?
その日のうちに一通だけ送ります。何が変わったか、なぜ変わったか、いくらかかるか、新しい総額はいくらかを書き、最後にはっきりと「ご承諾いただける場合は『はい』とご返信ください。そのまま進めます」で締めます。見積そのものにも新しい項目を足し、その追加がメッセージ、見積、最後の請求書に現れるようにします。最後の請求書が届くころには三度目にすることになり、争う余地は残りません。
追加費用を自分でかぶるべき場合はありますか?
あります。工事が小さく、お金より関係のほうが大事で、超過した部分がもともときつく見積もったところだった場合です。こつは、黙って飲み込むのではなく、かぶることを客に伝えることです。「きつく見積もった私の側の話ですが、次の見積が実際の時間を反映するようお伝えしておきます」は紹介につながります。黙ってかぶると、次の工事で出てくる恨みが育ちます。
関連リソース
関連する製品ページ、業界向けガイド、関連記事を見て、このワークフローをビジネスに取り入れましょう。
関連するCMA機能
クライアントからの最初のメッセージから見積承認までを支える製品エリアをご覧ください。
CMAは、プロジェクトのメディア、クライアントとのやり取り、見積を1か所にまとめることで、最初の問い合わせから見積承認までの仕事の流れを加速します。